現場のエースだった社員を管理職に登用したものの、部下がついてこない、あるいは本人が疲弊してしまう——建設業やIT企業の経営者様から、こうしたご相談を数多くいただきます。原因は本人の資質ではなく、多くの場合、会社側の準備不足にあります。
1.「プレイヤーの評価基準」のまま管理職を評価していないか
優れたプレイヤーが評価されてきた基準——個人の実績、技術力、スピード——をそのまま管理職の評価基準に使い続けていると、本人は「部下の面倒を見るより自分で手を動かした方が評価される」と学習してしまいます。管理職の評価基準は、部下の育成度や、チーム全体の成果に切り替える必要があります。
2.「マネジメントの仕方」を教える機会があったか
多くの中小企業では、管理職への昇進が「頑張ったご褒美」として扱われ、マネジメントスキルそのものを教える機会がないまま現場に送り出されます。1on1の進め方、フィードバックの伝え方、目標設定の仕方——これらは経験だけでなく、型として学ぶことで習得が早まります。私自身、外資系企業で「部門戦略人事」として評価・育成のトレーニングを受けた経験から、実務に落とし込める形でお伝えできます。
3.「相談できる相手」が社内にいるか
管理職になったとたん、それまで気軽に相談できていた上司や同僚との距離ができ、孤立してしまうケースは非常に多く見られます。特に中小企業では管理職の絶対数が少なく、同じ立場で悩みを共有できる相手がいません。社外に相談できる専門家を置くことも、管理職の孤立を防ぐ有効な手段です。
まとめ:管理職育成は「本人の頑張り」に任せない
管理職が育たないのは、本人の能力不足ではなく、評価基準・教育機会・相談環境という3つの仕組みが整っていないことが原因であるケースがほとんどです。仕組みを整えることは、経営者お一人では気づきにくい領域でもあります。
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